感情日記を始めようとして、いちばん最初につまずくのが「いつ書くか」です。
調べると答えが割れています。朝に書けという記事もあれば、寝る前に書けという記事もある。どちらにも理由があるように見えて、よけいに迷います。
私もしばらく夜に書いて、朝に移して、また夜に戻りました。そこで分かったのは、時間帯によって出てくる文章がまるで違うということでした。
夜に書くと出てくる文章
夜に書くと、その日あったことが出てきます。まだ整理されていない状態なので、感情が生のまま上がってきます。
利点ははっきりしています。記憶が鮮明なので具体的に書けます。誰が何と言って、そのとき自分がどうだったかが、そのまま残ります。
欠点も同じところから来ます。一日中使ったあとの頭で書く文章なので、文が短くなります。そして感情が大きくなっている状態で書くと、その感情がさらに大きくなることもあります。腹が立った夜に書いた日記が、翌日読むと大げさに見えるのはそのためです。
朝に書くと出てくる文章
朝に書くと、昨夜のことが一度ろ過されて出てきます。寝ているあいだに脳がその日のことを整理するからです。
だから朝の文章は、夜の文章より落ち着いています。同じ出来事なのに「あの人はひどい」が「私があのとき少し疲れていたんだな」に変わったりします。
そのかわり失うものもあります。 ろ過された分だけ細部が飛びます。昨日は正確に何がそんなに寂しかったのかがぼやけて、「なんとなくよくなかった」くらいしか残らないこともあります。
では、どちらがいいのか
目的によります。この基準で選べば大丈夫です。
今、心が散らかっていて減らしたい → 夜です。吐き出すことが目的なら、ろ過される前に出すほうがいい。
自分がなぜそうしたのか知りたい → 朝です。理解が目的なら、一度冷めたあとのほうが正確です。
まず習慣にしたい → 朝です。理由は下で別にお話しします。
習慣が目的なら、朝が有利です
夜の時間は毎日違います。残業の日、約束のある日、ただ倒れる日。だから夜に決めると、書かない日が自然にできます。
朝は比較的そろっています。起きる時刻は、寝る時刻ほど揺れません。そしてすでにやっている行動にくっつけやすい。コーヒーを淹れるあいだ、電車の中、席についてパソコンが立ち上がるあいだ。
記録が三日もたない理由の一つが、決まった場所がないことです。朝の何かの行動のうしろに置いておくと、その場所ができます。
夜に書くなら、一つだけ
それでも夜が楽だという方は多いです。一日を閉じる感じがありますから。
夜に書くなら、一つだけ守ってみてください。感情がいちばん大きい瞬間には書かないことです。
さっき言い争ったとか、さっき傷ついたときに書くと、書く行為がその場面を再生させ続けます。整理ではなく練習になります。
そんなときは一行だけ残しておきます。「今すごく腹が立っている」。詳しいことは翌日に書く。夜の記録と朝の整理を分ける、ということです。
まとめると
- 夜 — 生のまま出る。細部が生きて、感情が大きくなることもある。吐き出すのに強い
- 朝 — 一度ろ過されて出る。落ち着いているが細部が飛ぶ。理解に強い
- 習慣づくりは朝が有利。時刻が揺れにくく、既存の行動につけやすい
- 夜に書くなら、感情が最大のときは一行だけ。詳しくは翌日
正解はありません。ただ、「いつ書くか」でつまずいて始められないより、いつでもいいから始めるほうがいい。 時間帯は何週間か書いてみれば体が教えてくれます。
私はこう書いています
夜に一行、朝に三行と分けて書いています。
夜は、その日の体がどうだったかだけを書きます。肩が凝った、あくびばかり出た、そういうことです。考えなくていいので、疲れていても書けます。
朝はその一行を見て続きを書きます。すると「ああ、昨日それであんなに過敏だったのか」がよく出てきます。夜の私は記録だけして、解釈は朝の私に渡すやり方です。
ただ、これで足りない時もあります
- 眠れない日が続く、または眠りすぎる
- 食べるのがつらい
- 洗う・掃除といった基本的なことができない
- 自分を傷つけたくなる
そんな状態なら、記録で解決しようとしないでください。その時は、専門家に会うのが正解です。記録は心を整理する道具で、治療ではありません。
私は心の専門家ではありません。ただ、話す場所がなかったことのある人間です。
🌲 私は「名もなき森」という匿名の記録の場所をつくっています。
コメントも評価もなく、ただ書きとめるだけの場所です。
朝でも夜でも、書きたいときに開ける場所です。
https://nameless-forest.com/ja?utm_source=note&utm_campaign=morning-or-night
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